村上ファンドで有名な村上世彰著『生涯投資家』を読んだ。
村上ファンドと言えば強欲で、資金力で株を買い占めて、それを背景に対象会社に圧力をかける、というイメージしか持っていなかった。
しかし、日本経済の永続的な成長のためにはコーポレートガバナンスが重要でもあるにもかかわらず、それを遵守しない会社に対して投資家として是正を求める。結果、会社は企業価値を上げ、投資家は利益を上げ、そして税金を納めて国も良くなるという考えだったらしい。
もちろん自分で書いた本だから、かっこよく書いている部分もあるとは思う。しかし、思ったのは昨今の米国株ブームに通じているのではということ。
なぜ米国株を買うかと言えば、配当性向やROEは日本企業よりも総じて高く、何十年も増配を続けている会社が多数あったりと、投資家にとって魅力があるからだと思う。だから、日本株ではなく、米国株に流れているのだと思う。
では、なぜ米国株が投資家にとって魅力的な存在になれたかは、村上ファンドのような物言う株主が大勢いることだからではないだろうか。年金財団、投資ファンド等、いろいろいるだろうけど、誰もが物を言い、アクティビストであり、議決権を行使する。
法の抜け穴を使ったり、資金力を背景にあくどいやり方と思われるかもしれないけど、そういうことをするから企業は価値を上げるのに必死になるし、市場は整備されるし、そして投資家は報われる。
というわけで、著者のやり方が正しいかどうかわからないけど、行動は正しいと思った。
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