社会人になってすぐに証券口座を作りました。
まだネット証券が存在していなかったので、自宅でも会社近くでもない某繁華街にある大和証券で開設しました。
店内に入った時、そこには今まで見たことのない異次元空間が広がっていました。ロビーに置かれたソファーに座り、株価ボードを見つめる爺さん婆さんが沢山いたのです。今から思えば、毎日出入りして株価ボード見て一喜一憂して、ちょっと上がれば売り、ちょっと下がっても売り、息子や娘ぐらいのスタッフに講釈を垂れて、少ない資金のほとんどを手数料で溶かしていた人たちだったと思います。そしてスタッフからは心の中でゴミと馬鹿にされていたのでしょう。今でもこの手の人々はいるのでしょうか?
そんな人たちの間を通り抜け、カウンターで口座開設をお願いしました。隣は同い年ぐらいの若者。「こんどウチの両親にも挨拶させてよ」みたいなこと言っており、「同年代なのになんでそんなにお金持ちなの??」とビビりました。これも今から思えば、偉そうにスタッフと話していたけど本当の金持ちなら外交員が自宅に行くはずだから、自分では大きなお金を動かしていると思い込んでいるだけで普通の人だったのだと思います。
当時の店頭はまさに場末の鉄火場みたいなところでした。
(続く)